ソーシャル・ディスタンスに効果はあるのか?

 

ウイルス感染を収束させるためには人口のおよそ6割が感染すればいいという集団免疫という疫学上の考え方があります。

免疫を持つものが6割いればいいという意味ですので、それが自然感染でもワクチンでも構わないわけですが、ワクチンがない現段階では自然感染しか方法はありません。

 

一方、感染を防ぐために人との距離を取りましょうということで、ソーシャル・ディスタンシングが求められています。

 

これ、完全に二律背反です。

 

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感染しないようにソーシャル・ディスタンシングなどという極めて非人間的な対策をしなくちゃいけないのに、その対策をしていると一向に集団免疫という感染の収束はやってこないということです。

 

ワクチンができるまで我慢しろということなんでしょうが、それでもなにか割り切れないこのところの毎日です。

 

スウェーデンの集団免疫、抗体検査

スウェーデンはヨーロッパでは(報道されるところでは)唯一ロックダウンなどの強制力を伴う対策をとらずに集団免疫戦略をとっている国です。

 

そのスウェーデンで抗体検査をしたところ抗体保有率が約6.1%だったとロイターが報じています。6割まで程遠いですね。

 

 

日本の抗体検査

厚生労働省が東京、大阪、宮城で行った抗体検査の結果を6月16日に発表しています。

 

新型コロナウイルス感染症に関する検査について|厚生労働省

 

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東京0.1%、大阪0.17%、宮城0.03% だったそうです。

0.1% ということは1,000人のうち1人が過去に感染した可能性があるということです。表の一番右の数字 0.038%が、症状が出てPCR検査をした結果感染していたという感染率です。こちらは約2630人のうち1人が発症したことになります。

 

もちろんクラスターを想定していない平均値での話ですが、2630人の集団では2~3人が感染しそのうち1人が発症するということです。

 

この数字から考えれば、ソーシャル・ディスタンシングなんて不合理そのものです。学校の授業で机に囲いをつくり、マスクにフェースガードして学習し、給食時も友達と話ししちゃダメ、こうした環境で育っていくほうがよほど将来へのリスクが高いように思います。

 

この 0.1%という数字を見る限り、たとえば仮に感染した人と街ですれ違っても、あるいは仮に電車で隣り合わせに座ったとしても感染するリスクは極めて低いと考えられます。実際、通勤列車でクラスターが発生したケースは報道されていないと思います。

要は感染の広がりは飛沫感染や接触感染によるところが多いということでしょう。医療行為や介護行為で集団的に感染が発生していますし、飲食や接客に伴う集団的感染も多くなっているようです。

 

クラスター対策と徹底したPCR検査

その意味では日本のクラスター対策は間違っていなかったということだと思います。

 

問題は、クラスター対策に合わせて徹底したPCR検査を行わなかったことです。

 

クラスターが発生したらその感染ルートを徹底的に潰していく、同時に広範囲にPCR検査を行い感染源を隔離していく、そうすればソーシャル・ディスタンシングなんていう極めて非人間的なことをしなくても、ワクチンが完成するまでの2、3年、それほど日常生活を制限しなくても凌げるはずです。

 

PCR検査に対してその精度が云々だとか、医療崩壊が起きるだのという意見があるようですがそれはいいわけです。現状、それしか判定する方法がなければそれに頼るしかありません。

 

いずれにしても自然感染による集団免疫なんてのは机上の空論でしょう。

 

日本モデルなんてものはない

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安倍首相が5月25日の記者会見で

我が国では、緊急事態を宣言しても、罰則を伴う強制的な外出規制などを実施することはできません。それでも、そうした日本ならではのやり方で、わずか1か月半で、今回の流行をほぼ収束させることができました。正に、日本モデルの力を示したと思います。

などと「日本モデル」などという言葉を使い、日本の新型コロナウイルス対策が成功したかのように言っています。

 

これは完全に嘘です。

 

人口あたりの死者数をみれば明らかです。感染者数なんて数字はそもそも日本の場合は検査数を絞っているわけですから意味がありません。

 

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人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】


人口100万人あたりの新型コロナウイルスによる死者数を日毎にグラフにしたものです。

「日本」と書いたところから下の集団はアジア諸国です。日本のひとつ上の国はフィリピンです。東アジア、東南アジアでは日本の死者数は1、2を争っているということです。

「スウェーデン」と書いたあたりの集団はヨーロッパとアメリカです。アジア諸国の単位は10人なのにヨーロッパ諸国は100人ですので、グラフの見た目以上にヨーロッパはすごいことになっているということです。

 

アジアとヨーロッパ、アメリカのこの違いについてはいろいろ説があるようですが、それは今後の研究を待つしかないとして、このグラフを見ますと人為的な政策にはあまり効果がなく、要は医療体制、つまり早く感染者を見つけて、早く治療すること、そしてそれを可能にする体制を早く取ることではないかと思います。

 

それにしても日本の対策が成功しているなんてのはまったくの嘘ということがわかります。それに、強制的な政策をとっていないスウェーデンが取り立ててひどいというわけではありません。

 

ソーシャル・ディスタンシングに効果はあるのか

誤解があるといけませんので正確に言いますと、のべつまくなしのソーシャル・ディスタンシングに意味はあるのかということです。

 

たとえば、スーパーなどの買い物で2mほどの間隔をあけて並びます。マスクをして喋らなければ感染リスクはほとんどないと考えられます。

映画館では席をひとつおきにあけてしか座れません。全員が同じ方向を見て特にしゃべる必要もないところでそんなことをすることで感染リスクが下がるとは思えません。

 

問題は教育現場です。子どもたちの会話を制限したり、囲いをつくってストレスと与えるより、子どもたちと教師全員のPCR検査をすればいいと思います。検査の精度の問題をどうこういうよりも、ソーシャル・ディスタンシングによる子どもたちへの悪影響を考えるべきです。

 

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