中日新聞は特集記事で勝負する

最近の新聞(中日新聞なんですが)は、一面に政治ネタを載っけないのか!? と、このところずーと気になっていたのですが、どうやら中日新聞は、安倍政権のメディアへの圧力に対抗して地下に潜る(笑)作戦に出たらしく、特集記事をスポーツ欄や家庭欄に紛れるように配して「裏一面」扱いにしているようです(笑)。

「令和」首相会見まるで所信表明

これが新元号発表の翌々日の朝刊の特集記事「『令和』首相会見まるで所信表明」です。

その日の一面がこちら。

一面記事の内容はこちら。

www.chunichi.co.jp

尼子昭彦さんという方の紹介記事です。元号選定に関して政府と考案者の間で橋渡しをするような役割かと思いますが、その方が昨年春に亡くなっているという内容です。数年前までは国立公文書館の公文書研究官として在職していたとのことですが、

政府関係者は、公文書館での肩書は「仮の姿だった」と語り、元号選定に大きな役割を果たしていたと証言。国立公文書館の高山正也前館長も「前任の館長から秘密裏に元号関係の仕事をしていたと聞いていた」と明かす。

と記しています。

さらに

実際、政府から考案依頼を受けた学習院大の小倉芳彦元学長のところには二〇〇四年四月ごろ、元号の事務を担当する内閣官房副長官補とともに訪れた。
尼子氏は何度も面会し、過去の元号一覧表を持参して次の元号にふさわしい条件を説明した。

としています。

すでに2004年に次の元号を検討していたということですか!? まあ、政府の実務としては当然かもしれません。

で、話のポイントはそこではなく、そもそもこの記事が一面に値する内容かということです。最近は政治ネタが一面に掲載されることがほとんどなくなっています。これ、何が起きているんでしょう?

単純に新聞そのものの模索の結果なのか、何らかの見えない力が働いている結果なのか、それは知る由もないのですが、その新聞をめくっていきますと一面の半分を使った特集記事に出会います。

これ、最近ではほぼ毎日のように組まれています。

で、冒頭の画像「『令和』首相会見まるで所信表明」の内容は、一言でいえば、安倍首相が元号制定を私物化しているというかなり辛辣な批判記事です。

www.tokyo-np.co.jp

何人かの学者への取材で構成しています。

  • 政治評論家 有馬晴海氏
  • 宗教評論家 大角修氏
  • 政治評論家 森田実氏
  • 同志社大教授 岡野八代氏
  • 京都精華大専任講師 白井聡氏

それらのコメントに共通しているのは、元号制定というそこに何らかの意味合いを込めるべきではないことに、まるで政権の所信表明のような意味付けをしていることへの違和感です。

中日新聞は東京新聞も自社のものですので、地方新聞との意識があるかどうかはわかりませんが、大手メディアがほぼ安倍政権の御用メディアに成り下がった今、地方新聞こそが本来のメディアの役割を果たしていけるのかもしれません。

沖縄二紙もしかり。