金原ひとみ著『アタラクシア』

アタラクシア|金原ひとみ|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー 金原ひとみさん、10年ぶりに読みました。前回読んだのはいつだったかとサイト内を検索しましたら『TRIP TRAP/トリップ・トラップ』でした。その時も久しぶりに読んだと書いています。 この…

白石一文著『火口のふたり』映画の原作本

映画「火口のふたり」の原作本です。 映画のレビューはこちらです。 この映画を見るまで白石一文さんを知らなかったのですが直木賞作家なんですね。 物語としては、映画はほぼ原作通りに進んでいます。ただ、映画では言葉だけの賢治の背景にかなり嘘っぽさを…

吉田修一著『犯罪小説集』10月18日公開予定の映画「楽園」の原作

吉田修一さんの『犯罪小説集』という小説が「楽園」というタイトルで映画化されると知り、読んでみました。映画は見ていませんが、以下、小説からの想像でネタバレ的な内容がありますのでご注意ください。 吉田修一著『犯罪小説集」 それぞれ犯罪絡みの5つ…

今村夏子著『むらさきのスカートの女』

今年2019年上半期の芥川賞受賞作です。 【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2019/06/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 津村記久子さんの『ポトスライムの舟』を読んだ際…

津村記久子著『ポトスライムの舟』『十二月の窓辺』

2008年下半期の芥川賞受賞作です。処女作の『君は永遠にそいつらより若い』 に続いて読みました。 2008年下半期の芥川賞受賞 ポトスライムの舟 十二月の窓辺 ポトスライムの舟 (講談社文庫) 作者: 津村記久子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2011/04/15 メ…

津村記久子著 『君は永遠にそいつらより若い』

初めて津村記久子さんの本を読みました。 君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫) 作者: 津村記久子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2009/05/11 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 49回 この商品を含むブログ (53件) を見る 面白いという言葉がピッ…

松尾匡、橋本貴彦著 『これからのマルクス経済学入門』 日本のMMT提唱者

「財政赤字は悪でも脅威でもない」MMT提唱の米教授:朝日新聞デジタル 「れいわ新選組」の山本太郎さんが注目されていることと連動して、にわかに反緊縮、MMTの話題が目立つようになっています。提唱者の一人、ニューヨーク州立大のステファニー・ケルト…

望月衣塑子著『新聞記者』 映画よりも権力の怖さがわかる

映画「新聞記者」の原案との触れ込みの望月衣塑子さんの「新聞記者」を読みました。 ああ、逆ですね、映画のほうが望月さんの名前を触れ込んでいるということです。 新聞記者 (角川新書) 作者: 望月衣塑子 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/10/12 メ…

品田悦一著『万葉集の発明』

令和騒ぎもやっと落ち着いてきました。 このIT時代に元号など面倒なだけとは思いますし、実際、excelでは自作のプログラムが動かなくなっています。まあ、深く考えずに元号を使っていたわけですから自業自得ではありますが、これからはすべて西暦を使おうと…

日本国憲法入門書3冊(メモ)

国立公文書館 「ゴー・ホーム・クイックリー GHQ」を読んだことを機に日本国憲法について少し突っ込んで調べる気になり、とりあえず図書館の書棚にあった3冊を読んでみました。 憲法とは何か (岩波新書) 作者: 長谷部恭男 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日…

中路啓太著 『ゴー・ホーム・クイックリー GHQ』 未だなし得ていない大いなる命題

中路啓太著 『ゴー・ホーム・クイックリー GHQ』 ゴー・ホーム・クイックリー 作者: 中路啓太 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/11/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「ゴー・ホーム・クイックリー」これは未だ日本がなし得ていない大…

濱口桂一郎著『働く女子の運命』

働く女子の運命 (文春新書) 作者: 濱口桂一郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/12/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (10件) を見る 上の画像にあるジェンダーギャップ指数101位とあるのは2015年のことで、最新の2018年版では110位と下がって…

吉田修一著 『ウォーターゲーム』

吉田修一さんの「鷹野一彦シリーズ」の三作目です。これで完結になるんでしょうか、そんな終わり方です。 ウォーターゲーム 作者: 吉田修一 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/05/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 産業スパイの物…

小石清写真集『初夏神経』と『半世界』

阪本順治監督の映画「半世界」を見て、小石清さんという方はどういう作品を残しているのだろうと興味がわき、図書館で写真集『初夏神経』と『日本の写真家15 小石清と前衛写真』を借りました。 映画の感想はこちら。 www.movieimpressions.com 借りた本はこ…

長山靖生著 『帝国化する日本-明治の教育スキャンダル』

帝国化する日本――明治の教育スキャンダル (ちくま新書) 作者: 長山靖生 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/09/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る この『帝国化する日本』というタイトル、仰々しいだけに、あえて今の日本を批判的に…

保坂正康著『昭和の怪物 七つの謎』

昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書) 作者: 保阪正康 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/07/19 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る タイトルや本のカバー写真からはかなり古さが感じられますが、昨年2018年7月に出版された本です。 本…

平野啓一郎著『ある男』 城戸は偽善者との読後感になってしまった…

ある男 作者: 平野啓一郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/09/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る ツイッターでフォローし始めたこともあるのでしょうか、デビュー作以来読んでいなかった平野啓一郎氏ですが、『マチネの終わり…

橋本健二著『新・日本の階級社会』 労働者階級がアンダークラスを抑圧する?

新・日本の階級社会 (講談社現代新書) 作者: 橋本健二 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/01/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (14件) を見る 厚労省発表の「毎月勤労統計調査」で特別監査委員会が組織的な隠蔽は求められなかったとの検証結果を…

青木理著『安倍三代』 凡庸でいい子の無知と無恥

安倍三代 作者: 青木理 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/01/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る 安倍晋三の系譜で三代と言えば、岸信介、安倍晋太郎、そして安倍晋三と、おそらく多くの人がおじいさんとして岸信介を思い浮…

東浩紀著『ゲンロン0 観光客の哲学』

ゲンロン0 観光客の哲学 作者: 東浩紀 出版社/メーカー: 株式会社ゲンロン 発売日: 2017/04/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (48件) を見る 東浩紀さんを初めて読んだせいなのか、読みにくかったです(笑)。 何がかといいますと、本の構成にリズ…

佐藤優著『十五の夏』 中学生、高校生におすすめ

佐藤優さんって、「知の巨人」と呼ばれているらしいんですが、当然、そうなればアンチが生まれるわけで、「インチキ」だの「デタラメ」と言われたりもします。 まあ雄弁で迷いなく断言するところが良くも見え、悪くも見えるんだと思います。 で、この『十五…

姫野カオルコ著『彼女は頭が悪いから』 いやあ~な小説だね、これ。

新聞の書評で引っかかってしまった本です。 引っかかった自分を棚に上げておいてなんですが、タイトルが下世話ですね。結構売れているという話もあり、狙い通りということでしょう。 文藝春秋BOOKS 2016年に起きた「東大生強制わいせつ事件」を題材にしたフ…

吉田修一著『国宝(上下)』 連載小説ではなく書き下ろしの大作を期待する

この『国宝』、昨年から今年の5月にかけて朝日新聞に連載された小説の単行本化とのことです。連載小説なんてかなりプレッシャーのかかる作業ではないかと思いますが、吉田修一さんの最近の作品はほとんどこのパターンですし、個人サイトを見てみても三本が…

小手鞠るい著『炎の来歴』 正論だけれども現実感の乏しい平和ファンタジー

炎の来歴 作者: 小手鞠るい 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/05/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 小手鞠るいさん、はじめて読みます。 なかなか、著者あるいはこの小説のポジションといいますか、どの視点から書いているのかが定まら…

白井聡著『国体論 菊と星条旗』と 内田樹著『日本辺境論』

国体論 菊と星条旗 (集英社新書) 作者: 白井聡 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/04/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (13件) を見る 冒頭、天皇の生前退位についての例の「お言葉」から書き起こしています。 これですね。 象徴としてのお務めに…

柴崎友香著『寝ても覚めても』 映画も良い、原作も良い

寝ても覚めても: 増補新版 (河出文庫) 作者: 柴崎友香 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/06/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 映画が良かったので原作を読んでみました。 面白いですね。 この小説からあの映画が生まれるのか…

鴻上尚史著『不死身の特攻兵』軍神はなぜ上官に反抗したのか

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書) 作者: 鴻上尚史 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/11/15 メディア: 新書 この商品を含むブログ (15件) を見る 日本人に共通する死生観というものがあるのか、特攻隊と聞きますと純化された…

広瀬隆著『カストロとゲバラ』

カストロとゲバラ (インターナショナル新書) 作者: 広瀬隆 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル 発売日: 2018/02/07 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る キューバとアメリカが半世紀ぶりに国交を回復したのが、2015年7月20日、3年になります…

平野啓一郎著『マチネの終わりに』 平成のすれ違いメロドラマ、 真ん中あたりで投げ捨てなければ(笑)読み応え充分

マチネの終わりに 作者: 平野啓一郎 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2016/04/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (21件) を見る 久しぶりに平野啓一郎さんを読みました。 映画化が決まっているようです。 www.fashion-press.net 確かに映画向…

「ベロニカとの記憶」の原作=ジュリアン・バーンズ著『終わりの感覚』

終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス) 作者: ジュリアンバーンズ,Julian Barnes,土屋政雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2012/12/01 メディア: ペーパーバック 購入: 2人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (31件) を見る 映画「ベロニカとの記憶」…