小手鞠るい著『炎の来歴』 正論だけれども現実感の乏しい平和ファンタジー

炎の来歴 作者: 小手鞠るい 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/05/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 小手鞠るいさん、はじめて読みます。 なかなか、著者あるいはこの小説のポジションといいますか、どの視点から書いているのかが定まら…

白井聡著『国体論 菊と星条旗』と 内田樹著『日本辺境論』

国体論 菊と星条旗 (集英社新書) 作者: 白井聡 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/04/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (13件) を見る 冒頭、天皇の生前退位についての例の「お言葉」から書き起こしています。 これですね。 象徴としてのお務めに…

柴崎友香著『寝ても覚めても』 映画も良い、原作も良い

寝ても覚めても: 増補新版 (河出文庫) 作者: 柴崎友香 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/06/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 映画が良かったので原作を読んでみました。 面白いですね。 この小説からあの映画が生まれるのか…

鴻上尚史著『不死身の特攻兵』軍神はなぜ上官に反抗したのか

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書) 作者: 鴻上尚史 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/11/15 メディア: 新書 この商品を含むブログ (15件) を見る 日本人に共通する死生観というものがあるのか、特攻隊と聞きますと純化された…

広瀬隆著『カストロとゲバラ』

カストロとゲバラ (インターナショナル新書) 作者: 広瀬隆 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル 発売日: 2018/02/07 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る キューバとアメリカが半世紀ぶりに国交を回復したのが、2015年7月20日、3年になります…

平野啓一郎著『マチネの終わりに』平成のすれ違いメロドラマ、真ん中あたりで投げ捨てなければ(笑)読み応え充分

マチネの終わりに 作者: 平野啓一郎 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2016/04/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (21件) を見る 久しぶりに平野啓一郎さんを読みました。 映画化が決まっているようです。 www.fashion-press.net 確かに映画向…

「ベロニカとの記憶」の原作=ジュリアン・バーンズ著『終わりの感覚』

終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス) 作者: ジュリアンバーンズ,Julian Barnes,土屋政雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2012/12/01 メディア: ペーパーバック 購入: 2人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (31件) を見る 映画「ベロニカとの記憶」…

三浦しをん著『光』

光 (集英社文庫) 作者: 三浦しをん 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2013/10/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (15件) を見る 映画「光」 を見て、いくら何でも原作はこんなにひどくないだろう(ペコリ)と思い読んでみました。 んー、原作も結構あ…

紗倉まな著『最低。』

最低。 作者: 紗倉まな 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー 発売日: 2016/02/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 瀬々敬久監督「最低。」を見て原作を読みました。 4人の女性、彩乃、桃子、美穂、あやこを主人公にした短編集なん…

フィリップ・ジャン著 松永りえ訳『エル ELLE』("Oh...")

エル ELLE (ハヤカワ文庫NV) 作者: フィリップジャン,Philippe Djian,松永りえ 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/07/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 映画を見て興味を持ち読んだ本です。 www.movieimpressions.com 上のリンク…

坂野潤治著『帝国と立憲』いざ戦争になった時、我々は反戦を貫けるか?

帝国と立憲: 日中戦争はなぜ防げなかったのか (単行本) 作者: 坂野潤治 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/07/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る たまたまではないとは思いますが、タイトルに「立憲」と入った坂野潤治さんの新刊…

角田光代著『月と雷』聖と俗みたいなもんですかね…

月と雷 (中公文庫) 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2015/06/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 映画を見て面白い話だなあと思い原作を読みました。 映画の感想はこちら。 www.movieimpressions.com 映画はおおむね原…

角田光代著『私のなかの彼女』

私のなかの彼女 (新潮文庫) 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/04/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る 映画「月と雷」をみて、原作を読もうとしたのですが、図書館では全て貸し出されていましたので書棚にあった最新の…

小川理子著『音の記憶』

「日本の会社で働く全ての女性に贈る 働くこと、愛すること、継続すること。」とのコピーがつく、現パナソニック(株)執行役員であり、ジャズピアニストとしてビクターから CDも出している小川理子(みちこ)さんの松下電器入社から現在に至る自らの成功体…

上間陽子著『裸足で逃げる』

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書) 作者: 上間陽子,岡本尚文 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2017/02/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 沖縄に暮らす6人の女性たち。虐待、DV、レイプ、その多くの女性が10代にして出…

東山彰良著『僕が殺した人と僕を殺した人』(ネタバレ)面白いのですが、書ききれていない印象です

面白かったのですが、直木賞受賞作「流」と同じように集中するところまでいくには結構時間(ページ数)がかかります。 僕が殺した人と僕を殺した人 作者: 東山彰良 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/05/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3…

柴崎友香著『春の庭』写真で言えば、標準レンズ、望遠レンズ、そして超広角レンズの感覚

春の庭 作者: 柴崎友香 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/07/28 メディア: ハードカバー この商品を含むブログ (60件) を見る 頑張って読んだらかなりいい作品でした!って感じです。 読み始めて、あれ?これ読んだことあるかも?と思いながら数ペー…

望月衣塑子著『武器輸出と日本企業』

例の加計学園問題での菅官房長官の記者会見で、徹底的に食い下がって、答えているようで何も答えていない菅官房長官の欺瞞をあからさまにした東京新聞の望月衣塑子さんの著書『武器輸出と日本企業』を読んでいることもあり、この記事がちょっと気になりまし…

藤沢周著『武曲』映画を原作と比べてみると脚本の酷さがわかる

武曲 (文春文庫) 作者: 藤沢周 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/03/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 映画「武曲」を見て、その際、原作の読書メーターなど読むにつけ、むちゃくちゃ面白そうな小説だと思い読んでみました。 aus…

森元斎著『アナキズム入門』

アナキズム入門 (ちくま新書1245) 作者: 森元斎 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/03/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (4件) を見る この本を読んで一番疑問に思うことは、本当にこういう文体の本が売れるのだろうか?ということと、出版側は…

ダニエル・ケールマン著『僕とカミンスキー 盲目の老画家との奇妙な旅』瀬川裕司訳

僕とカミンスキー 作者: ダニエル・ケールマン,瀬川裕司 出版社/メーカー: 三修社 発売日: 2009/03/01 メディア: 単行本 クリック: 8回 この商品を含むブログ (7件) を見る 映画を見て原作を読みました。 ausnichts.hatenablog.jp びっくりするくらい映画と…

浜矩子著『どアホノミクスへの最後の通告』

どアホノミクスへ 最後の通告 作者: 浜矩子 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2016/10/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る ときどき新聞のコラムなどで見かける浜矩子さん、反安倍(アベノミクス)が明確で気持ちのいい方なんですが、経…

ビー・フェイユイ(畢飛宇)著『ブラインド・マッサージ』

ブラインド・マッサージ (エクス・リブリス) 作者: 畢飛宇,飯塚容 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2016/08/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る ロウ・イエ監督の「ブラインド・マッサージ」を見て、面白そうと思い読んだ本ですが、もう一度映…

加藤陽子著『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫) 作者: 加藤陽子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/06/26 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (16件) を見る 著者の加藤陽子さん、東大の教授で専門は日本現代史、ご本人はこの本の中で (専門は)1929…

遠藤周作著『沈黙』 映画と原作

沈黙 (新潮文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1981/10/19 メディア: 文庫 購入: 26人 クリック: 337回 この商品を含むブログ (266件) を見る 映画「沈黙‐サイレンス‐」マーティン・スコセッシ監督を見て、原作を読み直してみました。読…

阿部和重著『シンセミア』え!?こんなにたくさんの人間を殺してしまうの?

挫折しそうになっていた『シンセミア』、結局読み切りました。 ausnichts.hatenablog.com ただ、結構ずるをしていますので、本当のところを読み切れていないかもしれません。 まあ、性もないと読んだ本を良かったと思えるわけはないのですが、それでもやっぱ…

阿部和重著『シンセミア』危うし、投げ出し寸前…か?

シンセミア(上) (講談社文庫) 作者: 阿部和重 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/05/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る シンセミア(下) (講談社文庫) 作者: 阿部和重 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/05/15 メディア: 文庫 こ…

熊谷奈緒子著「慰安婦問題」

慰安婦問題 (ちくま新書) 作者: 熊谷奈緒子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/06/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る 図書館に返却に行った際、予約してある本も来ていないので何かないかと手に取った本です。 今現に問題となっ…

高橋和巳著「邪宗門」一生に一度は読むべき本

邪宗門 上 (河出文庫) 作者: 高橋和巳 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/08/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る いやー、すごい本でした! もう一度読み直さないと何か書くのも難しいくらいです。 この本が何であるかを的確に…

吉田修一著『橋を渡る』ネタバレ/70年後の未来にオチをつける異色作

橋を渡る 作者: 吉田修一 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/03/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 吉田修一さんの本はかなり読んでいますが、この作品は、中盤までかなりの違和感を感じる内容です。 先へ進みたいという気持ちが…